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マンションはなぜ寒い? リフォームで暖かくする方法

マンションに住む多くの方にとって「寒さ」は共通の悩みです。その悩みはコンクリート造の特性が原因となっており「冬はスリッパが欠かせない」「窓から冷気が伝わって眠れない」といった声をよく耳にします。しかし、これらの悩みはリフォーム・リノベーションによって解決することができます。
今回は寒さの原因とその対策について説明していきます。
目次
マンションが寒い理由
①コンクリートの蓄熱性
コンクリートは蓄熱性の高い素材です。「蓄熱」と聞くと良いことのように聞こえますが、実は良いことばかりではありません。冬は外気により躯体のコンクリートが冷やされます。
蓄熱性が高いということは、一度冷えるとなかなか暖まらないということなので、エアコンで暖房をしても躯体は冷えたままで、壁や床のコンクリートからの冷気で寒さを感じます。
②断熱不足
断熱性の高い住宅をつくることが標準的になってきたのはごく最近の話で、マンションに使われている断熱材は性能が低く、十分な断熱性を確保しているとは言えません。
また、築年数の経過したマンションの場合そもそも断熱をしていなかったり、結露によって壁の中の断熱材が腐ってしまっている場合もよくあります
③性能の低いサッシや玄関ドア
ほとんどのマンションのサッシ(窓)は熱を伝えやすいアルミ製で、断熱性の低いシングルガラスが使われています。また、玄関ドアも断熱性の低いものとなっています。
家の中で熱の出入りが一番大きいのは開口部(窓や玄関ドア)です。その断熱性の低さが寒さの大きな原因となっています。
④合板フローリングの床
通常、マンションの床はコンクリートに合板フローリングが直貼りされています。無垢の木の床と違い、合板は熱伝導率が高くコンクリートの冷たさを伝えやすいので、どうしても床が冷たく感じます。
合板フローリングの冷たさを防ぐには床暖房を入れざるを得ない、という理由で多くのマンションで床暖房が設置されているのです。ただし、床暖房はエネルギー効率の高い設備ではないので、光熱費が高くなるという弱点があります。
暖かくするための対策
①性能の高い断熱材を入れる
断熱材の性能は進化しており、厚さ40㎜程度の断熱材を壁の中に入れるだけでも断熱性が大きく改善し、暖房効率が高くなります。
それだけでなく、断熱性を高くすると体感温度も高くすることができます。
断熱性が低い場合、暖房の熱を逃がしてしまうだけでなく、冷やされた壁からの放射で体が冷やされるため、体感温度も低くなります。つまり、断熱性の高い家と断熱性の低い家、それぞれ室内温度が同じだとしても体感温度に違いが生まれるのです。

②二重サッシにする
マンションの場合、サッシ(窓)は共用部として扱われるため、基本的にはサッシを交換することはできません。そこで、既存のサッシの前(室内側)にもう一枚断熱性の高いサッシを設置する「二重サッシ」がおすすめです。
先ほども述べた通り家の中で最も熱の出入りが大きいのは開口部(サッシ、玄関ドア)なので、二重サッシにすることで家の断熱性が大きく改善されます。また、断熱性の高い二重サッシを採用することで結露対策にもなるため、カビの防止にも繋がります。

③玄関ホールを小さく区画する
一般的なマンションでは玄関は長い廊下とつながっていて、その廊下がリビングにつながります。新築マンションで玄関ドアの断熱性が高かったとしても、出入りのたびに外気が入ってくる玄関はどうしても冷えます。
リフォーム・リノベーションによって、玄関ホールを建具などで小さく区画することで、他の部屋に冷気が伝わらないようにすると、玄関ドアからの影響を最小限にすることができます。

④無垢の木の床材を使う
マンションで使われている合板フローリングとは異なり、無垢の木は熱伝導率が低く、コンクリートの冷たさを伝えにくいので床暖房を付けなくても暖かく暮らすことができます。
特に、ヒノキや杉といった針葉樹は空気を多く含んでおり、温かみのある床材なのでお勧めです。

まとめ
断熱不足や性能の低いサッシが原因となっているマンションの寒さは、断熱補強や二重サッシを用いることで暖房効率を高くし、体感温度も上げることができます。また、無垢の床への張替えや、玄関ホールを建具で小さく区切ることなど、素材や間取りの工夫によって解決できる寒さもあります。
マンションの特性を理解し、適切な対策を取ることで驚くほど快適になります。寒さに悩まれている方はぜひご相談ください。